産休や育休中は、会社に出勤せずに育児に専念できる期間ですよね。「でも、待って、毎月払っている社会保険料って払わなくちゃいけないの?」と不安に思う方もいるかと思います。会社に在籍しているから社会保険料を支払わなければならないのか気になる人もいますよね。
今までは社会保険料の支払いは育休中のみ免除されており、産休中は支払う必要がありましたが、2014年4月からは産休中も社会保険料が免除となりました。この記事では産休・育休中の社会保険料について、解説していきます!
この記事で分かること
- 免除期間はいつからいつまでか
- 社会保険料はいくら免除されるのか
- 社会保険料の免除申請の流れ
目次
免除期間はいつからいつまで?
社会保険料の免除期間は、産休・育休どちらも休業を開始した月から終了前月までとなります。出産予定日の6週間前から子どもが1歳の誕生日を迎える前日までの社会保険料が免除されます。なお、日割り計算は行われず、1カ月単位で金額が免除されることになっています。
例 出産予定日 R6.1.24の場合
・産前休業がR5.12.14~R6.1.24
・ 産後休業がR6.1.25~R6.3.20
・育児休業期間がR6.3.21~子供が1歳になる誕生日の前日まで
と仮定すると
社会保険料は令和5年の12月分から免除されることになります。もし子供が1歳になる誕生日の前日まで育児休業をして翌日から復帰すると令和7年1月25日に復帰するので令和6年12月分まで免除となります。
つまり合計13カ月分免除される
社会保険料はいくら免除されるの?
「社会保険料はどのくらい免除されるの?」と疑問に思う方もいるかと思います。
いくつかの年収サンプルからシミュレーションをしてみます。
年収 | 全国健康保険協会管掌保険料 | 厚生年金保険料 | ||
全額 | 折半額 | 全額 | 折半額 | |
240万円 | 19,960 | 9,980 | 36,600 | 18,300 |
360万円 | 29,940 | 14,970 | 54,900 | 27,450 |
528万円 | 43,912 | 21,956 | 80,520 | 40,260 |
- 健康保険料=全国健康保険協会管掌保険料の折半額×免除対象期間
- 厚生年金保険料=厚生年金保険料の折半額×免除対象期間
計算式になんで折半額を使うんだワン?
健康保険料や厚生年金保険料は会社と折半されてるからニャ!
年収240万円の場合
健康保険料 9,980円×13カ月=129,740円
厚生年金 18,300円×13カ月=237,900円
トータルで367,640円の免除
年収360万円の場合
健康保険料 14,970円×13カ月=194,610円
厚生年金 27,450円×13カ月=356,850円
トータルで551,460円の免除
年収528万円の場合
健康保険料 21,956円×13カ月=285,428円
厚生年金 40,260円×13カ月=523,380円
トータルで808,808円の免除
※自己負担分のみの計算。給与の支給額などにより誤差が生じます。産休は出産予定日の6週間前から、育休は子どもが1歳になるまで取得免除対象期間は13カ月と想定。
産休・育休中は社会保険料が免除になるとはいえ、一般的には会社から給与の支払いがありません。その代わり協会けんぽや共済組合から支給される「出産手当金」がありますが、支給される金額は本来の給与よりも少なくなります。
社会保険料免除の手続きの流れ
社会保険料免除の申請は、産前産後休業取得者申出書や育児休業等取得者申出書を会社が年金事務所に提出して行われます。これが受理されると、保険料の免除が開始される流れです。
ここでは社会保険料免除の手続きで具体的に準備すべきことや、申請の流れを紹介します。
事業主に申し出る
産前産後休業の取得を決めたら、被保険者は会社へ休業期間中に申し出ます。
産前産後(休業)期間中の場合は産前42日(多胎妊娠は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由に休業している期間中に申出書を提出する必要があります。
育児休業期間中の場合は、一定条件を満たしていることを確認のうえ、3歳未満の子どもを養育する期間中に申出書を提出します。一定条件は以下の通りです。
- 1歳未満の子どもを養育するための育児休業
- 1歳から1歳6カ月未満の子どもを養育するための育児休業
- 1歳(上記2の休業の申請ができる場合は、1歳6カ月)から3歳未満の子どもを養育するための育児休業の制度に準ずる休業
会社側が申出書を年金事務所へ提出
次に、被保険者からの申し出を受けた会社側が「育児休業等取得者申出書」(以下、申出書)を健康保険組合や日本年金機構(事業所の所在地を管轄する年金事務所)へ提出します。
申出書が提出された後、日本年金機構から確認通知書が会社側へ届きます。
会社側は、届いた確認通知書に記載されている産前休業開始年月日と、産後休業終了の予定年月日が正しいか確認して被保険者に伝えます。
保険料の免除が開始される
免除期間は、被保険者が休業を取得した日が含まれる月から、休業が終了した日の翌日が含まれる月の前月までの月単位で計算されます。
例えば休業開始日が3月25日だとすると3月は免除期間に含まれます。一方休業終了日が9月29日だとすると8月までが免除期間に計算されます。
免除期間中は被保険者だけではなく会社側も社会保険料が免除されます。また、保険料が免除されている期間は納付記録に記載され、免除されている間も受給資格期間として計算されます。
休業が早く終了した場合は届け出る
当初申し出た終了日よりも早く復帰する際は、会社側が「産前産後休業取得者変更(終了)届」と「育児休業等取得者終了届」を日本年金機構の事務センターへ提出する必要があります。
書類内の共通記載欄と終了欄に必要事項を記載し、持参もしくは郵送で提出されるのが一般的です。
まとめ
今回の記事のまとめです。
・免除期間はいつまでか
・社会保険料はいくら免除されるのか
・免除申請の手続きの流れ
について解説してきました。
産休や育休の期間は収入の減少や出産により支出が増えてしまい、不安になると思います。でも今回紹介した通り社会保険料免除があるんだと知っておくと少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。
また、日頃から収入の8割で暮らすことを意識したり家計簿をつけたりして貯金をしておくと収入が減ってしまった時でもだいぶ心の穏やかさが違います。そんな手助けになるコンテンツにしていきたいと思いますので今後とも精読して頂けたら幸いです。
それではまた!